性教育 自己肯定

性教育はなぜ大切なの?- 自分の人生のハンドルを自分で握るために –

みなさんこんにちは。今日は性教育の話をしたいと思います。性教育というと、みなさんどういうイメージがありますか?少し話しにくい?高校の授業で受けた内容を思い出す人もいれば、そもそもそんな授業あったっけ?という人もいるのではないでしょうか。

性教育は、自分や他人を尊重する上で必須な、命や身体に関する学問です。私たちは生まれた時から性を持って生まれてきており、またその性についての知識は自分の人生のハンドルを自分で握るために必須なのです。

性教育の現状

みなさんはどのような性教育を受けてきましたか?

性について教わる機会は、家庭や学校、友人、インターネットなどがあるかと思いますが、殆どの人が友人から聞いた情報やインターネットの情報量が一番多いのではないでしょうか。

私の話をすると、小学校低学年の頃、家族とテレビを見ていた時、生理用ナプキンのCMを見て、その頃全く生理について知識のなかった私は疑問に思い、父に「なんでこの女の人、大人やのにオムツするん?」と聞いたのを覚えています。その時の答えにくそうな父の声を聞いて、これは聞いてはいけないことだったんだ、、と思ったことは今でも鮮明に覚えています。

高校の時は、体育の時間のおまけのような形で保健の授業があり、男女別の部屋に集められ、いつも偉そうにしている体育の強面の先生が、決まりが悪そうに性器の名称や月経について、教科書通りに話す…というものでした。そもそもなぜ男女を分けるのかということ以前に、強面の先生が話しにくそうにしている姿を見て内容は全く入ってきませんでした。かつ、性器のことや生理のことなどは教科書に載っていても、高校の時の私が本当に知りたいこと(セックスのこと、避妊のこと、妊娠の仕組み、自分の身体の守り方など)は書いてありませんでした。

この性教育は、教える先生によって差があるようで、同じ世代でも、授業の中でコンドームの付け方を習ったという友人もいます。今思えば実用的で素晴らしい授業だったのですが、その当時高校生だった私たちの反応は、その過激な内容に否定的な反応をしていたのを覚えています。私が高校生だったのは10年ほど前なので、もう今は変わっているのかもしれません。みなさんの性教育はどうだったでしょうか?

「寝た子を起こすな」スタンスの日本の性教育

時代がある程度変わっても、基本的に日本の性教育方針は変わっておらず、「寝た子を起こすな」の方針です。例えば、男女の身体の違いや、妊娠後の女性の身体の変化に関しては教えるのに、性行為そのもの、セックスについては教えません。何の説明もなしに、急に精子と卵子が出会うところから始まるのです。これは国の教育の基準である学習指導要領に「妊娠の過程については取り扱わない」と明記されていることによります。学生にとっては、一番他人に聞きにくいけど一番知りたいところを教えてもらえない状況です。

これは性教育でも、人権教育でも同じことが言えます。セックスのことを教えるとセックスする学生が増える、部落のことを教えると差別する学生が増える、同性愛について教えると同性愛者が増えるというような考えですね。私はこれは全くの間違いだと思っていますきちんと正しい知識を教えることのメリットは、ネットやうわさなどから中途半端で間違った知識を知ることのリスクよりも遥かに大きいですし、差別を解決する場面に至ってはまずはその差別の存在を知らないことには解決ができません。

実際にこれは研究でも証明されており、アメリカの思春期医学を扱う雑誌(Journal of Adolescent Health)の調査によると、性教育が包括的に行われた場合、生徒はより多くの情報を得て、より安全な選択肢ができるようになるだけでなく、予期せぬ妊娠の数は減少し、性感染症への対策もより徹底してできるようになるのです。

学校現場では一部の保護者にとって不適切と思われる内容を授業で扱うとすぐにクレームが発生し、それを避けるために、まるで中身のない性教育のなっているのかもしれません。生は性なしでは生まれないのに、性に関する話題があまりにもタブー視されている現状は悲しいです。

また性教育に関して、女性と男性に学ぶべきことに差はありません。もちろん自分自身の身体について知ることは重要なのですが、生涯で男性または女性のどちらかとしか関わらない人はいませんよね。例えば生理や妊娠については女性と同じように男性も知識を持ち、一緒に生活する中での配慮を学ぶことは、すべての人がより生きやすい社会を作っていく上で大切です。

性に関する正しい知識がないことのリスク

このような状況だと、どうなるでしょうか?殆どの場合、性に関する情報は、友人から聞いた情報やネットでみる信憑性の保証がない記事や、ひどい場合AVなどが情報源となってしまいます。その結果のリスクとして、このようなことがあります。

  1. 性被害にあってしまう…恋愛や結婚の中での健全な関係について学ばないまま、自分にNoという権利があることを知らないままだと、性被害にあってしまうリスクが高まります。
  2. 性被害の加害者になってしまう…相手の性や、そのしくみ、性的同意などについて知らないと、加害者になってしまうリスクがあります
  3. 予期せぬ妊娠につながる…妊娠は祝福されることである一方で、女性側への多大な負担につながるもので、身体的なものだけでなくキャリアや金銭的にも負担となります。知識がないことが原因で、自分の人生が予期せぬ変化を遂げてしまうことに繋がります。

性教育を全ての人が受けていることによって、パートナーとの健全な関係を保つことができ、自分を大切にし、自己肯定感を保つことにも繋がります。

自分の人生のハンドルを自分で握るために

きちんと性に関する知識を持っていると、人生における様々な場面で役に立ちます。恋愛、人生設計、キャリアを決める中で、自分と同じくらい他人を尊重し、様々な選択肢の中から自分に最善の決断ができるようになります。

例えば恋愛で、、

恋愛関係と深い関わりがあるのがセックスです。まずは自分の性と相手の性についてきちんと知りましょう。また、セックスのリスクと対策を理解した上で、セックスをするかしないかをパートナーと一緒に決めることができます。

自分の人生について考える時、、

妊娠は特に女性の身体やキャリアに大きな影響を及ぼすものですし、出産後の生活は金銭面なども含めて様変わりします。子どもを生むかどうか、どのタイミングで生むかどうか、生んだ後の生活をどうするのか、これをきちんと話し合い、理解した上で初めて妊娠をするのが理想です。ここの知識がないまま妊娠をしてしまうと、人生が大きく変わってしまうリスクがあります。

自分で学ぼう

このように非常に重要な性教育、なぜか学校で教えてくれません。じゃあ学校教育を変えよう!となるのが自然ですが、実は長い間議論されていて、それでもなかなか変わるのに時間がかかっていることなのです。そこでみなさんには、自分で学んでいただきたいのです。まだ自分で学ぶことのできる年齢ではない子供に対しては、大人が正しい知識を伝えてあげて下さい。

性教育に関するオススメ書籍・ウェブ

自分で学ぶにあたって、おすすめしたい書籍やウェブコンテンツをご紹介します。私もこれらのリソースを使って自分で勉強しました。みなさんも自分にあった勉強方法で、是非今日から性について正しい知識を付けましょう。

オススメ書籍(クリックでAmazonの商品ページへ)

最初にオススメしたい書籍は「CHOISE じぶんで選びとるための「性」の知識」です。性教育Youtuberとしても活躍されている助産師のシオリーヌさんの書籍です。このタイトルからも分かっていただけるように、自分の人生のハンドルを自分で握るための性教育の要素が詰まった本です。

次のオススメ書籍は、「おうち性教育はじめます」です。こちらはお子さんへ性教育を教える親のための本ですが、非常に分かりやすい表現で説明されているので、十代や二十代の人が自分の知識として学ぶのにも良いです。

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