女子力ってなんだろう? – 女子力を磨くと、本当に女子は輝けるの? –
みなさんこんにちは。
本日は「女子力」についてお話したいと思います。女子力とは、比較的最近出てきた言葉で、若い人を中心に普及している、理想とされる女性のあり方や行動、らしさのことを指す言葉で、多くの場合男性モテと一緒に語られます。「女子力をあげて彼氏をゲット!」みたいな文脈ですね。笑っちゃいますね。。ハハハ
目次
私たちが知っている「女子力」とは
女子力で一般的に表されるスキルの代表的なものとして、
- 料理や家事が上手にできる
- ネイルがきれいなど、おしゃれに気をつかっている
- サラダの取り分けを率先してするなど、細かい気遣いができる
こんなものが思い浮かぶかと思います。2020年に実施された、女子力の高い女性にかんるす調査(以下図参照)を見てみてもこの通り、料理や家事、気遣い、外見に関することがトップにあがっています。
正直この「女子力」、私には心底に居心地の悪い言葉に聞こえます。なぜかというと、この言葉はまさに、性別関係なく分担して行うべき、または誰もができる方がいいこことを、あたかも「女子力」という「褒め言葉」を使って女性に押し付けている言葉に聞こえるからです。理由を一つずつ説明していきます。
料理・家事と女子力
男性は女性と同じくご飯を食べますし、服も着ますよね。ということは、料理や家事は、生活する上で、全員が身につけておいた方がいいスキルです。料理が得意なことは女子力ではなく、人間力と言えるかもしれません。また、人には得意不得意や好き嫌いがありますから、料理や家事ができない またはやらないからと言って、その人の価値は下がることはありません。女子力の文脈だとあたかも女子力が低い=恥ずべきことであり、女性としての価値が下がるような言い方をされることが多いのは問題です。
試しにGoogle検索で「女子力」と検索してみると、「絶対的に女性が目指すべき理想」である「女子力」が高い状態になるにはどうしたらいいか、というような記事が目立ちます(以下スクリーンショット参照)。
外見と女子力
おしゃれに気を遣っていることに関しても、女性だけではなく男性に関しても身だしなみを気にしていることは同じくらい重要です。また、この女子力は女性の服装を制限もしてしまいかねません。なぜなら、一般的に女子力が高い服装とは、殆どの場合、ジーンズにTシャツにすっぴん、のような楽で心地いい格好ではなく、歩きにくいヒールに寒いスカート、メイクはばっちり、という外見だからです。
気遣いと女子力
最後の気遣いについては、これが性別に関係なく大切なのは明らかですよね。サラダの取り分けは気づいた人がやればいいし、絆創膏はもしもの時のために皆が持ち歩いておくといいものですよね。女子力アップのために、「笑顔とありがとうを忘れない」と書いてある記事さえあります笑。女子以前に人として大切でしょそれ!と突っ込みたくなります。
料理やおしゃれが心から好きで、それが自分の気分をあげてくれるなら、それはれっきとしたあなたの人間力です。私も、仕事を忘れて無心で野菜を切れるし、自分の好きなものを作って自分で食べることができるから料理は好きですし、近くのコンビニに行くだけなのに無性におしゃれがしたくなて、思いっきりおしゃれをして出かけることも、自分がうきうきした気持ちになるので大好きです。誰かにモテるためではなく、自分のためにしていることは問題ではありません。
女子力で誰が得をする?
ではこの女子力、結局だれのためのものなのでしょうか?メディアではあたかも女子力を上げると男性からモテて幸せになれるかのような言い方をされることがありますが、女子力で女子は本当に幸せになれるのでしょうか?
料理や家事を女性に押し付けて、得をするのは男性です。女性が気を遣って、男性の世話をしていい気分になるのは、男性です。身だしなみがきれいで、女性らしい服装をした女性は、いわゆる、「おかざり」として男性をおもてなすことが要求さる場が多いです。飲み会などに呼ばれて、「女性がいると華があるね」という言葉も褒め言葉のように使われています。
女子力という言葉は女性の本当になりたい姿を縛って男性、または男性社会に都合の良いように仕向ける、そんな呪いのことばの一つだと言えます。
女子力を、Girl Powerに!
ところで、女子力にあたる言葉って、英語だとそのまま Girl Power ガールパワー・・・だと思いませんか?答えはいいえ、実はGirl Powerは女子力と正反対の意味で使われることが多いのです。
Girl Power とは、女性同士が結束し、世の中の不平等に立ち向かっていく、お互いをエンパワー(力を与えること)する、フェミニズムの文脈で使われる言葉です。男性にモテるために自分を磨く、ということではなく、男性中心になっていることがらに対して団結して「おかしい」と声をあげることを意味しています。日本語の女子力と英語のGirl Power、これほどまで真逆の意味なのは皮肉ですね。
是非これからの女子には、誰かのための女子力ではなく、自分たちのために立ち上がる、Girl Powerを磨いてほしいと思います。
女子力に惑わされないために、今日からできること
では女子力信者がその呪いから目覚め、Girl Powerを手に入れるには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
①自分のこころに正直に
ホントはあまり好きじゃないけど、周りからのプレッシャーを感じてやっていること、ありませんか?自分の本当に好きな格好をする、本当は行きたくない飲み会は断る、過度な気遣いはやめる、自分の思っていることを発言する(SNSなどでおかしいと思ったことについて発信してみるのもいいですね)など、できることからやってみましょう。
②女子力を強要してくる人から離れる
あなたが自分の心に正直に、ありのままの自分でいる時に、それを否定してくる人がいるなら、そこから離れるというのも選択肢です。「女子なんだからおしゃれくらいしないと」「これが女子の当たり前だよね」「女は家事や料理ができないでどうするの」など、女子力を強要される場合、そうは思わない意見を伝えることもできますし、それでも分かってもらえない場合は思い切って、その人やコミュニティから離れると楽になるかもしれません。
③ありのままの自分の価値を信じる
たとえ料理ができなくても女性らしい服装が好きでなくても、あなたの価値は変わりません。思いっきりおしゃれしている時のあなたも、思いっきり楽な部屋着の時のあなたも、どちらもあなたが望むことなら、それだけであなたは魅力的です。女子力という呪いはすぐに解けるものではありません。心が折れそうになることもあるかもしれませんが、毎日自分に I am enough. 「ありのままの私でじゅうぶん」ということを言い聞かせてあげましょう。
いかがでしたでしょうか?誰かのための女子力ではなく、みなさんが自分のためのパワーを手に入れられるよう、これからも色々な視点でジェンダーに関する話題を提供していきたいと思います。You are enough. ありのままのあなたで、じゅうぶんです!